アニメ全話レビュー「機動戦士ガンダム 第12話「ジオンの脅威」」 評価はまだありません

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あらすじ

ジオン公国でガルマの国葬が大々的に行われようとするのと同時に、猛将ランバ・ラルがホワイトベース討伐の任を帯びて戦艦ザンジバルで降下してきた。ザンジバルの追撃を振り切ることができなかったブライトは、ひどい虚脱状態のアムロをガンダムで出撃させる。そんな状態のアムロの前に凶悪な影が立ちはだかる。

 

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見どころ

  • アムロ本格的に精神を病んでいく
  • ランバ・ラル登場

 

初登場人物

ジオン軍
  • ランバ・ラル
  • クラレウ・ハモン
  • クランプ
  • アコース
  • コズン・グラハム
  • タチ
  • ゼイガン

 

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初登場メカ

ジオン軍

 

はじめに

サイド7編、ガルマ編と、ここまでこの2つの大きなエピソードを消化してきましたが、今回は遂に3つめの大きなパートであるランバ・ラル編に突入です。このランバ・ラル編は民間人と軍人の間の中途半端なアムロ達が立ち位置で苦悩したり、戦ったり、逃亡したりするエピソードで、ランバ・ラル編を境に、アムロやホワイトベース部隊は人としても成長し、本格的に戦争に没頭していくことになります。

 

富野監督曰く、ランバ・ラルはアムロに存在しなかった父の役割だったそうです。敵で殺し合うのに父的役割とはいかにと言うのはおいおい書いていきます。

 

放送内容

ガルマの国葬

前回、家族で静かに弔いたいとの父デギンの意見は、長男ギレンと長女キシリアにによって反対され、今回の冒頭で壮大な国葬を行っていました。

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ドズルが左遷させると息巻いていたシャアですが、ドズルは部下にシャアを左遷しろと命令を出したようです。今回の国葬中にそのような会話をしていました。また、それを聞いたキシリアが、部下を呼んで耳打ちをするシーンも続いてありました。これはのちに分かりますが、ドズルが左遷したシャアをキシリアが拾い上げて利用する事を伝えたシーンですね。でもこれどう考えても子供には理解できない、映画的であり大人の事情の描写ですよね。まあ子供はそんなことは無視して「MSかっけー」だけで楽しめるので良いのですが。

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これが伏線となり、今回の最後にキシリアの親衛隊の者に拾い上げられていました。

 

ランバ・ラル

今回、ガルマに続いて前半の重要な登場人物であるランバ・ラルが登場しました。このランバ・ラルは、軍人として優秀なだけではなく、部下に慕われる人格者でもあり、アムロに「あの人に勝ちたい」と言わしめた人物でもあります。味方だから正義、敵だから悪と言うわけでもなく、敵にも立派な人がいるんだって事を表しているエピソードでもあります。

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また、同じく初登場のハモンですが、奥さんでもなければ軍人でもありません。単なる恋人です。ですが、何故かランバ・ラル部隊には慕われており、部隊のナンバー2の位置にいます。本来の副官はクランプなんですけどね。こういう我が儘が通り、それでも部下に慕われているのも、ランバ・ラルの人格のおかげなのでしょうか。このランバ・ラルとハモンの関係は、前回、前々回で戦死したガルマとその恋人イセリナにそっくりです。

 

ちなみにランバ・ラルの目的は、ドズル中将からの直々の命令によるガルマの仇討ちです。要はホワイトベースを叩けって事ですね。このホワイトベースの周りで起こる戦闘は、戦局に全く影響なく、大きな作戦にも参加していない、ホワイトベースたった一隻の戦いなんですよねえ。

 

そしてこのランバ・ラルの年齢はなんと35歳なんです。これはガンダムファンの間でよく出るネタです。35歳にしては腹はでっぷり出ていますし、貫禄がありすぎますし、今だと50過ぎくらいに見えます。富野監督は、ガンダムのアニメ化の際に、子供に受け入れて貰えるため設定年齢は低くしたので、実際はこれに+5歳してくれと発言していますが、今見ると10歳~15歳プラスって感じですね。

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また、今回はランバ・ラルの登場に伴いグフも登場しました。最初見たときはランバ・ラル専用機だと思ったのですが、これはこの時は新型機ではあるものの、ランバ・ラル専用機ってわけではない量産機なんですよね。それを知ったときはランバ・ラルの特別感が少し薄れた気がして少しショックでした。のちのジャブローの戦いでグフは大量に投入されます。

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アムロが病んでいく

前回、見ず知らずの女性に仇と言われ、銃口を向けられたことにショックを受けたアムロですが、このことにより自分が意識していなかっただけで人殺しをしていること。そして知らないところで名前も知らない人間に恨まれている事を知り精神を病んでいきます。この精神を病む描写は、テレビ版の流れだと実に理に適っていて分かりやすいのですが、劇場版だとイセリナの特攻エピソードが丸々カットされていて、リュウの「新米の兵隊のよく掛かる病気」との言葉で、新社会人がよく掛かる「五月病」と勘違いされがちですが、もっと深刻な事情があったんです。劇場版は時間の都合がありますし、アムロが精神を病むエピソードは、ストーリー上重要とまでは言えないので致し方ないですね。

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しかし目が虚ろで、言葉にも覇気が無い描写はちょっと怖いです…。そしてまた殴られるアムロ…。今回アムロ悪いことしてないのに…。で、このアムロの「新米の兵隊がよくかかる病気」がどうなったかと言うと、無理矢理ガンダムに乗せて荒療治。これで治ってしまいました。

 

ギレンの演説

今回は最後に、ガルマの国葬をジオンが全宇宙に生中継をしているシーンがありました。これは非常に興味深いところで、このギレンの「演説規模=ジオンの状況」なんです。BSアニメ夜話で岡田斗司夫さんが語っていましたが、第1回目のこの演説は宇宙規模の放送でした。第2回目の演説はア・バオア・クー周辺のみに放送と言う小規模な物でした。ジオンの勢いが如実に表れています。

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また、アムロはここで初めて「ジオン軍」を意識します。今まではサイド7で戦争に巻き込まれ、目の前の敵とただがむしゃらに戦ってきたのですが、ある程度戦闘経験を積み、避難民を降ろし、冷静に戦闘をできるようになり、そしてこのジオン軍の演説です。自分が日々戦っている目の前の敵の向こうには一体何があるのか、どういう人間で思想なのか、何が目的かなど、この時初めて意識するんですね。

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総評

今回の第12話で劇場版のpart1が丁度終わりです。劇場版3つのパートのうち1/3が終了したことになります。

 

アムロが戦争に巻き込まれてから避難民も降ろし、ある程度の戦闘経験も積み、一旦落ち着いてジオン軍とは何かに少し触れたところまでですね。未だにジオン軍とは何なのか、アムロ達には遠い存在でありぼやけているのですが、今回のことでなんとなく戦争の大局を意識していくことになります。

 

また、独立部隊として局地戦ばかりを経験してきて、本来戦局に影響を及ぼさない存在であるはずのホワイトベースが、実はいつのまにかザビ家四男で、ジオンのアイドル的存在であるガルマを殺し、結果的に戦局に大きな影響を与えてしまっているところも面白いです。他の連邦軍が束になって掛かる大規模な作戦でさえ、ジオンをここまで動かせなかったにもかかわらず、無視されて蔑ろにされている素人集団のホワイトベースが、知らず知らずのうちに戦争に大きな影響を与えてしまっていたんです。連邦にとっては皮肉なことでしょうね。

 

こんな人にお勧め

  • ロボットアニメが好きな人
  • 戦争アニメが好きな人

 

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