目次
掲載情報
掲載雑誌
- ビックコミックスピリッツ 1984年8月15日号
アニメでは
- アニメ化なし
時系列とでき事
- 1984年7-8月
この頃のでき事
- 8月1日 - 花王石鹸が「ビオレU」を発売。
- 8月4日 - アフリカのオートボルタがブルキナファソに改名。
- 8月10日 - 日本専売公社の事業継承を目的とした専売改革関連法（たばこ事業法・日本たばこ産業株式会社法）が公布され、1985年4月1日に民営化されることが決定される。
- 8月21日 - フィリピン・マニラで、フェルディナンド・マルコス同国大統領に対する50万人規模の抗議デモ発生。
- 8月21日 - 臨時教育審議会が設置される。
- 8月24日 - トヨタ自動車が製造業で初の5兆円企業（売上高）となる。
- 8月24日 - 警視庁、投資ジャーナル社（中江滋樹代表）を無免許営業で捜索（投資ジャーナル事件）。
- 8月30日 - スペースシャトルディスカバリー、初の打ち上げに成功。
あらすじ
二階堂のトラブルでなかなか一刻館から手を離せなかった響子さんは、久しぶりに三鷹さんのテニススクールに参加。そこで三鷹さんと二階堂が会うのですが、三鷹さんと響子さんを恋人と勘違いした二階堂と三鷹さんは意気投合してしまいます。
みどころ
- 三鷹さんと二階堂の絡み
はじめに
今回は一刻館新住人の二階堂と三鷹さんが初めて出会う話です。最初は三鷹さんと響子さんを恋人だと勘違いする二階堂と意気投合し、味方に引き入れようと思うのですが、段々と二階堂の鈍さ、鬱陶しさに気付いていきます。あの人当たりが良く、社交的な三鷹さんでも二階堂を御することはできなかったようです。
三鷹さんと二階堂意気投合
久しぶりにテニススクールに来た響子さん。二階堂の問題で中々来られなかったことを一の瀬さんから聞いた三鷹さんは、その二階堂に一言言ってあげると響子さんに約束します。実際会うと、三鷹さんと響子さんが恋人だと勘違いされたことに気をよくし、意気投合してしまうのですが、よく考えるとこれは不味い兆候なのです。
二階堂は空気を読めない、つまり「その場の本当の空気、意味を読み取れない」人物ですから、二階堂に恋人と勘違いされると言うことは…それはつまり真ではないことの証明になってしまうのです。二階堂が読む空気はことごとく間違っているので、二階堂が三鷹さんと響子さんを恋人だと思ったと言うことは、それはイコール三鷹さんと響子さんは恋人ではないとのことなのです。二階堂に「恋人ですね」と勘違いされてはいけないのです。
指輪の勘違い
これもめぞん一刻の王道パターンですが、誰かから預かり物をして誰かに渡す、そしてそれを端から見ていた人が勘違いをする。今回もこれがありました。
郁子ちゃんの家庭教師の帰りに、郁子ちゃんの母親から指輪を響子さんに渡してくれるよう頼まれ、三鷹さんがいる目の前で、五代君は響子さんに渡すのですが、これを案の定三鷹さんは婚約指輪と勘違いしていました。
めぞん一刻はこういったお約束パターンが非常に多いのですが、これはパターンを確立した強みですね。これが悪い方向に出ると、また同じような話かと飽きてしまうのですが、めぞん一刻の場合、上手く細部のディテールを変えたり結末を変えたりしているので、同じ骨格の話には一見見えません。この見せ方は高橋留美子さんの上手いことのひとつです。
そしてこの三鷹さんが勘違いするように周りで補強していたのが二階堂です。空気を読まず、鈍く、物事を包み隠さず全て言ってしまう二階堂がいることにより、めぞん一刻の勘違いエピソードがサクサク進みます。
総評
今回で二階堂は、一刻館住人、こずえちゃん、三鷹さんと、めぞん一刻の主要登場人物全てと絡み終わったことになります。
これで二階堂エピソードラッシュは終わりです。この後は五代君の就職話、教育実習話が始まり、待望の八神が出てくることになります。二階堂は好きなキャラクターなのですが、鈍く空気が読めない性格が極端過ぎるので、話がワンパターンになりがちで、広がりがないのもまた事実。この辺りが作者も二階堂を早めに主要キャラとして出すのを諦めた理由かも知れません。
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