漫画全話レビュー「めぞん一刻 第124話「ごめんねLUNCH・BOX」」 5/5 (3)

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掲載情報

掲載雑誌
  • ビックコミックスピリッツ 1986年4月14日号

 

アニメでは

 

時系列とでき事
  • 1986年3月 五代裕作、保育園のクビとキャバレーでのバイトを響子さんに完全に知られる

 

この頃のでき事
  • 4月1日 - 男女雇用機会均等法施行。
  • 4月1日 - 丸善石油、大協石油と石油精製会社のコスモ石油が合併してコスモ石油に。
  • 4月1日 - 東京工科大学が東京都八王子市に開学(17年ぶりとなる新設大学工学部の開学)。
  • 4月1日 - 400ml献血と成分献血がスタート。
  • 4月1日 - 明治乳業(現:明治)、フジサンケイグループ(フジテレビジョン・産業経済新聞社・ニッポン放送など)がCI導入。
  • 4月4日 - 日本のプロ野球が新ストライクゾーンを導入して開幕。
  • 4月7日 - レーシングドライバー萩原光が宮城県、スポーツランドSUGOにて、マシンテスト中事故死。
  • 4月7日 - 経済構造調整研究会(前川委員会)、産業構造の積極的転換を提案。
  • 4月8日 - 人気アイドルの岡田有希子が東京都内のビルで飛び降り自殺。その後、ファンの後追い自殺が相次ぎ、社会問題化。国会でも取り上げられる。
  • 4月13日 - 長江裕明一家が自力で建造したヨット「エリカ号」で世界一周に成功する。
  • 4月15日 - アメリカによるリビア爆撃。
  • 4月16日 - 東レがCI導入。
  • 4月26日 - ソ連のウクライナ・ソビエト社会主義共和国のチェルノブイリ原子力発電所で大規模な爆発事故発生(チェルノブイリ原子力発電所事故)。
  • 4月28日 - 東京・港区にアークヒルズが完成。大規模都市再開発のさきがけとなる。
  • 4月29日 - 昭和天皇の在位60年記念式典開催。
  • 4月29日 - 桧町公園の便所で時限爆弾が爆発する桧町公園事件が発生。

 

あらすじ

キャバレーでのバイト姿を見てしまった響子さん。五代君の将来への真剣さに疑問を持ち始めます。一方五代君は、一刻館住人との約束通り、響子さんに今までのことを全て話そうとするのですが中々言えず、業を煮やした響子さんは知っていることを告げて立ち去ってしまいます。

 

みどころ

  • それでも言えない五代君
  • 響子さんの真剣な顔

 

はじめに

今回から掲載誌のビックコミックスピリッツの週刊誌化に合わせ、このめぞん一刻も週刊での連載が始まりました。

 

この頃作者の高橋留美子さんは、うる星やつらも連載していたので、1週間に2本の連載ですよ。いくらなんでもハードすぎです。読者としては大好きなめぞん一刻が毎週読めるのは有り難かったのでしょうし、完結してから読んだ私のような読者にとっても、漫画と現実の時間は同じように進むので、これまでの2週間のでき事が1話の漫画になるより、1週間にでき事が1話漫画になる方が密度が濃くなって歓迎なんですけどね。ただ、作者だってロボットではないのですから、現実的に無理ありますよね。

 

昔の漫画家なんかで筆が早い人は、このようなペースで描いていたとの話も聞きますが、それは背景を描き込んだり、トーンを至る所に貼って効果を演出していなかった頃の話で、漫画に掛かる時間が少なかった時代のことですからね。どちらの漫画が上か下か、面白いか面白くないかの話ではなく、単純に漫画に掛かる時間が違いますからね。近代漫画で1週間に2本は無理なんじゃないかなあと。案の定、暫くあとにめぞん一刻は隔週連載になりました。でもこれくらいのペースで丁寧に書く方が結局は良かったのではないかなと思います。

 

五代君の姿勢に疑問を持つ響子さん

響子さんは五代君が保父になろうとしていることを応援し、お弁当も作ってあげていたのですが、今回キャバレーでのバイトが発覚したことにより、保父のことはどうなったんだ、どうでも良いのか、将来のことを真剣に考えているのかどうかなど、五代君に幻滅し掛かっていました。これは冷静に考えると当然で、響子さんから見ると五代君が保育園を園の人員整理との会社都合でクビになったことを知らず、五代君自ら夢を放り投げて、キャバレーのバイトに就いたと思っており、ふらふらしているだけのいい加減な男と捉えて当然です。

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五代君さえしっかり(就職)してくれれば、結婚しようかなとハッキリしたビジョンもチラホラ出てきていた頃ですからね。その反動での幻滅も凄かったのでしょう。

 

わかってます

五代君は、一刻館住人に宣言したとおり、響子さんにこれまでの経緯を話そうとするのですが、弱気な五代君はまたしても響子さんにハッキリ言えず…。モゴモゴしている間に、響子さんは「わかってます」と、保育園を辞め、キャバレーでバイトをしていることを知っていると伝え、すぐさま管理人室に帰ってしまいます。ここは響子さんの真面目な表情が印象に残っていました。怒ったり泣いたりと言うのは今までもよくあったのですが、ほぼ無表情ですからね…。

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五代君が保育園を会社都合で辞めていて、自分に何か落ち度があったわけではないと説明しなかったので、響子さんは翌日になっても怒っていました。ここで冷静に状況を整理させてあげたのが一の瀬さんでした。管理人室に来て、響子さんの落ち度や経緯を見直させる役割は一の瀬さんなんですよね。響子さんが自分の言動の落ち度に気付いて呆然としているときに無言で立ち去っていく一の瀬さんがたまりません。「やれやれ、やっぱり…」って感じなんでしょう。

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一の瀬さんは響子さんの身近にいる人で、素直に上からの説教を受け止められる唯一の人で、これが同じくらいの年の朱美さんや、男性の四谷さんでは反発してしまってダメなんです。一の瀬さんならではの役回りです。

 

五代君の事情を知る

一の瀬さんに自分の言動の落ち度を指摘され、もしかしたら自分が五代君を追い詰めていたのか、もしかして五代君なりに事情があるのかと思い、しいの実保育園へ電話をして事情を聞いていました。この1本の電話をしていなければ、五代君はきちんと事情を説明していないので、ふらふらしている五代君との評価で固まってしまったかも知れません。

 

 

このたった1本の電話は重要でした。また、この響子さんの電話に出たのが黒木さんで、黒木さんとは人形劇クラブなどで何度か会っているので、すんなりそのままの事情を話してくれたのでしょう。黒木さんもちょいちょい出てきては五代君と響子さんの人生に重大な影響を及ぼしています。これが無ければどうなっていたことか…。

 

叱咤激励のお弁当

事情を全て悟った響子さんは、保父を諦めていないこと、将来へのビジョンも変わっていないことを理解し、一旦停止していたお弁当を再開。お弁当のデザインそのもので五代君を叱咤激励していました。五代君へお弁当を作ってあげ始めたと思ったら、まさかこんな役割になってくるとは…。

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総評

今回でなんとか五代君の保育園のクビ、キャバレーのバイト、そして保父への道を諦めたと思われる誤解を全て解くことができました。とは言っても、五代君自らが釈明したわけでは無く、一の瀬さんの助言や、自ら事情を聞くために保育園に電話しての解決です。本来五代君が丁寧に説明すればストレートに解決するんですけどね。本当にお互いの事情を相手に説明しないんですよね…。それでここまでトラブルが解決してきたのが不思議なくらいです。

 

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